7年間の銀行勤務を経て、実家の船橋屋に入社したのは1993年のこと。家業と距離を置いて育てられた私は、親方絶対の職人の世界に驚かされながらも黙々と働きました。一方で、仕入先の見直しなど経費削減や合理化を図りました。「銀行出の理屈っぽい若造」と思われたでしょうが、厳しい現実を知る私は妥協しませんでした。 その後、品質管理の国際基準ISO9001の認証取得をはじめ、老舗に新風を吹かす様々なプロジェクトに着手。社内を活性化し、一体感を築きたかったのです。ところが意に反して活気は生まれません。それどころか「仕事が面白くない」と辞める社員が続出します。私は、「なぜ思いが伝わらないのか」と眠れぬ夜を過ごしました。そんなとき青木さんと出会い、金づちで殴られたような衝撃を受けました。問題の原因は自分にあることに気付かされたのです。
「コントロールできないものに焦点を当てない」。受講でもっとも影響を受けた言葉です。それは何かといえば自分の過去と他人の心です。振り返ると、以前の私は、人をどうにか変えようと必死で働きかけてばかり。それでも変わらない社員に対しては、「なぜ、できないのか」「やる気があるのか」と追い詰めていました。価値観の押し付けです。でも、そんなことで人は変わりません。変わったとしても嫌々言うことを聞いているだけです。大切なのはまず自分が変わることなのですね。
研修後、私は社員と一対一でじっくり話すようにしました。以前のような一方通行的な会話ではなく、生い立ちや生き様などにも耳を傾け、「今のままで大丈夫だよ」というメッセージを発しました。自分を大切にし、自己成長したいという気持ちになってもらいたかったからです。続いて、生きる目的を持ち、会社の中でどう行動すればそれが実現できるかをともに明らかにしていきました。そうやって、社員が自己成長し続けられる組織、社員満足を優先する経営へと社風を変えていったのです。
私の変わりように驚いた社員は、一人、二人とスタンダードコースを受講するようになりました。「あの社長が変わるのだから自分も変われるかもしれない」と考えたのでしょう。すると、彼らも自信をつけて帰ってきます。それが連鎖し、今では社内にアチーブメント用語が飛び交っています。人は皆変わりたいと思っているのです。真の社員満足は、自己成長することで生まれると確信しています。
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