父が創業した製缶・板金会社に入社し、現場の職人に技術をたたきこまれて10年。専務取締役として経営にも携わるようになりましたが、業績は落ち込み、借金も膨らむばかり。「もう会社を畳むか…」と弱気になる父を見かねて、「俺に任せてみろ」と言い放ちました。20歳の頃から地元の商工会議所が主催する経営研究会で、経営ノウハウを勉強していたので、自信だけはあったのです。しかし、いざ会社を任されるとなると、借金も従業員やその家族の生活も一身に背負わないといけない。無責任な自信はもろくも崩れ、その重圧に押しつぶされそうになりました。そんな時、経営者仲間に紹介されたのが、アチーブメントでした。
スタンダードコース初日の数時間は正直、斜に構えていた面もありました(笑)。しかし、青木さんの目には自信がみなぎり、言葉の一つひとつから本気さが伝わってきたのです。「これは本物だ」と、姿勢が前のめりになって講義に引き込まれていきました。特に鮮明に覚えているのは、「自分の成功は誰のためか」と問いかけられたこと。これまでは自分のことばかり考えていましたが、従業員やお客様、家族など周りの存在があってこそ、今の自分がいる。成功は決して自分のためだけではないのです。考えに1本筋が通り、価値観ががらりと変わった瞬間でした。
受講後、自分や会社の歴史をあらためて見つめ直し、経営理念づくりから着手しました。そして導き出したのが、「人を大切にする」という簡潔な言葉。その思いを従業員一人ひとりと面談して伝え、給料袋には感謝の気持ちをつづった手紙も同封しました。すると、お客様への対応やコスト管理、品質・納期の徹底など、従業員の意識が見る見る変わっていったのです。そして、私自身もお客様から「何かあった?」と言われるくらい、仕事に取り組む姿勢が変わりました。その成果は数字にも表れ、私が代表に就任して1年で、6000万円だった売り上げが1億2000万円に。その年には工場も増設し、お客様も倍増しています。
ライフワークで続けている空手でも、子どもの内側にある動機を引き出す選択理論を指導に取り入れたところ、子どもたちの目の色が変わり、小学生の教え子から全国大会の優勝者を輩出しました。こうした変化のすべての始まりは、「誰のための成功なのか」。これからも、自分自身にこう問いかけ続けていきたいと思っています。
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経常利益が前年比150%に。
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1日100軒のセールスを実践。
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全てを理念から判断。
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家族と過ごす時間をはじめ
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