弱冠27歳で開業医として独立。半年足らずで1日50人、バブル景気の時には1日80人の患者さんに来院していただきました。週2回の休診日を1回に減らし、治療台も増設するほど忙しい日々が続き、経営は常に安定していました。
しかし、徐々にマンネリ感を覚え始め、開業から20年経った頃には目標も描けないようになっていました。そんな時、知人からもらったのが、青木社長の講義を収めた1本のテープだったのです。
とはいえ、3カ月ほどは机に積んでいただけ(笑)。でも、試しに聞いてみると、初心を忘れていた私に響く言葉の数々。興奮冷めやらぬ間に受講を申し込みました。
初受講の時のことは今でも鮮明に覚えています。すべての行動は自分自身の選択によるもので、自分や未来は自分の考え方次第で変えられる。誰のため、何のために自己を成長させるのか。青木社長の生の言葉一つひとつに衝撃を受けるばかりでした。3日間の研修を終え、浜松に戻った夜は興奮して眠れませんでした。紹介してくれた知人に、翌朝5時に電話でその興奮を伝えたくらいです(笑)。
1日に多くの患者さんを診るため、スタッフを叱咤しながら仕事に向かっていた日々。技術さえ磨いていればいいという考えがありました。しかし、大切なのは内発的な動機付けであるという選択理論の考えに出合い、患者さん、スタッフ、家族のために何ができるのかを真剣に考えるようになったのです。
選択理論を学んで以来、周囲との温かいコミュニケーションが生まれています。スタッフの誕生日には自らケーキを買いに行き、手書きのバースデーカードと一緒にプレゼント。逆に私の誕生日には、スタッフから心のこもった手紙を毎年いただいています。さらに、講座で知り合った園芸農家の方から毎週バラの花を100本送ってもらい、誕生日を迎える患者さんに5本の花束にして贈呈しています。患者さんから感謝のお手紙をいただくことも多く、茨城県から車で往復13時間かけて通われる患者さんもいらっしゃるほど、温かい間柄を築くことができました。
この選択理論の魅力を多くの人に知ってほしいと思い、母校の高校で講習会を毎年開き、何のつてもない歯科衛生士学校にも自分から申し出て講演をさせていただきました。内向的だった子どもの頃の私からは考えられないこと。今後も、この私を変えてくれた選択理論を歯科業界の後進の育成のために広く発信していきたいですね。
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失いかけた自信を取り戻し、 |
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家族とのつながりと |
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人間関係の大切さを実感。 |
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3年間で退職者はゼロ |