当社は1940年、さんまやみりん干しなどの水産物加工業として創業。その後、加工工場を新設すると、しらす干しを主力商品に順調に業績を伸ばしていきました。
ところが2003年に入ると、しらすの豊漁で価格が大暴落。収益構造は悪化し、その後も厳しい状況が続きました。常務だった私はなす術を見つけられず、代表である父の苦境を見つめるばかり。「何か再浮上のきっかけがほしい」と悩む私に、学生時代の友人が青木社長の著書『「売る」仕組みのつくり方』を贈ってくれたのです。そして、そこにあった理念経営の理論に感銘を受けた私は、「何かが見つかるかもしれない」と、2007年に初受講しました。
「成功に踏み出すのは自分であり、できないと思いこんでいるのも自分。当たり前のことをたゆまず続けていけば、きっと道は開けてくる」。私がアチーブメントで学んだことは、ここに集約されています。
さらに、理念経営についても理解を深めた私は、「自慢のしらす干しをいっぱい食べてもらい、みんなを笑顔にしたい。これこそ私たちの目的であり、そこに向かっていけばいいんだ」との考えに至りました。これまでは売り上げの目標ばかりを追っていましたが、自分のものさしが一変したのです。弱気も消えて、「私が会社を変える。厳しい状況だからこそチャレンジしよう」と、受講を機に会社を背負う決意が固まったのです。
1月の初受講後、利益は3月、4月と2カ月連続で過去最高を達成。しかしそれまでの業績が影響し、8月の決算は設立以来初の赤字になりました。悪い部分をすべて吐き出し、リセットすればいい。そう前向きにとらえようとしましたが、やはり不安が押し寄せ、青木社長に相談しました。すると「大丈夫。小松さん次第で十分にV字回復を遂げられる」と。この言葉が心の支えになりました。
9月に代表に就任し、まず企業理念を確立しました。11月にはしらす加工業界で初めて食品安全マネジメントシステムの国際規格ISO22000を取得。翌年1月にはタイに現地法人を設立し、新たな市場の開拓に乗り出しました。
こうして振り返ると、受講後の1年間は本当に走り続けました。その芽が実り、今年の売り上げは前年比120%増の見込みで、タイ法人に至っては180%増。今では5つの会社でグループを構成し、ドバイにも進出。台湾も視野に入れています。私の挑戦は、まだまだ始まったばかりなのです。
![]() |
経営理念が明確になり、
|
||
---|---|---|---|
![]() |
理経常利益が前年比150%に。
|
![]() |
株式公開を実現!
|